、、、、完全にオレ目線でスイマセン
よく、お客様がおっしゃられる事の一つに、
「この靴凄く高かったのにすぐ減っちゃって〜」というのがあります。
人によっては修理にお持ち頂く時のちょっと恥ずかしい気持ちをごまかすためのよう
にも聞こえたりしますし、ただ、たんに虚栄心とも受け取れますが、そういうことよりは、
言葉の意味がおかしいのが気になります。
自分が今まで10年近くいろいろな靴を見させていただいて感じたところでは、高い靴
は、柔らかい履き心地重視の材料を使っている事が多く、靴底も減り易いとまではいか
ないですが、普通で、決して硬い方ではない事が多いです。ですので、靴と歩き方の相
性が悪いとやたら早く減ってしまう場合があります。逆に使い捨てに設計された靴の方
が靴底は長持ちしたりする場合もあります。
雑誌等も軽くチェックしますが、高級靴の柔らかさとか軽さなどは伝わりにくいかと思
います。雑誌とかのピカピカの光沢の革は硬く重そうに見え、反りがどうとかまったくわ
かりません。完全にオレ目線でスイマセン。雑誌が悪いのではなく自分のイメージ力が
弱いので、強そうに見えてしまうのかもしれません。
このように、高い靴に限らず、靴に対する考え方が、作る人と履く人では考え方が違い
ます。今回は高級靴の靴底について考えさせていただきました。
買ってから「えっ!そうなの〜」と驚きがっかりしないように靴選びをされたら、快適な
高級靴ライフの第一歩を踏み出せるかもしれないです。
一口に高級靴と言ってもそれぞれ特徴性格があります。履き心地を重視したものや
、デザインや、革に凝った物や、はたまたブランドマ−クなど、それぞれに作り手さん
の考えがあります。それをコンセプトに、全体のバランスを取って予算を組み寿命を
計算、材料や製法のチョイスをしています。ですので全体の中での役割が靴底にも
あります。 でも、1番最初の話しに戻りますが、だいたいどの高級靴も靴底は減ると
いう前提で作られていて、甲革(アッパー)を長生きさせるためにどうするかという設
計が読み取れます。減りにくい材料を積極的に使用する高級靴はあんまり見たこと
がありませんでした〜が、最近は結構増えつつあります。高級靴は修理も高級に設
計されている場合があり、そこをケチってバランスを崩すと余計につぎはぎ的になっ
たり無計画さから他に負担が出たりします。
例)あるメ−カ−さんの紳士靴は革の本底を接着だけで仕上げていて、剥がれたから
修理して下さいと依頼を頂きます。(靴修理屋さんなら1度は誰でもやってると思いま
す。結構あります。)しかし、メ−カ−さんの意図は接着剤の効力が無くなる前に本底を
消耗するペースで履くと計算していると読めます。履く方が大事にしすぎたと言えるか
もしれません。もっとガンガン履いてこまめにオ−ルソ−ルしなければならない贅沢な計
画で、それを要求するような設計です。履き手の意図は、普段はしまっておいて人生
の要所で履く高価な靴を選んだつもりが、実は普段履きとして設計された高い物を買
っていたということです。
例2)具体的な例ではないですが、デザイン重視の物は毎年新しいデザインや流行り
があるので、あまり強い作りである必要がありません。2〜3年履けば、次のデザイン
のが出て来ます。靴の製法もマッケイや接着など簡単なもので、予想される修理の回
数も低めに設定されています。(修理での負担に弱い) つまり、寿命が短く設定され、
長く履く用には作っていないです。軽くて柔らかい物が多い。婦人物に多いパターンで
すが、紳士物もよくあります。
靴底絡みで靴の特徴性格に続き、もうひとつ把握して頂きたいのが履き方の特徴癖
です。履き方の特徴を掴む事で修理のタイミングなど先の計画も立てられます。暫く
履いて減り具合のバランスを見てからから考えます。 同じ人でも、靴の形によっては、
減り方が変わります。また、爪先のトガッたロングノ−ズ系の靴は流行ってますが、爪
先が著しく減ったりもします。減り方はデザインとの関わりもありますので、買う前から
把握しときたいですが、なかなかそうもいきません。履いて見ないとわかりません。
例) カカトはあまり減らないがソ−ルの真ん中がやたら減る。たまにこういう方いらっ
しゃいます。前半張り、ソ−ルを張ってカカトが擦り減るまで待ちオ−ルソ−ル。このサ
イクル。
快適な靴ライフのためには、目的とそれにあった靴を選択する事をお薦めいたしま
す。くれぐれもビッグネ−ムに飲まれないようお気を付け下さい。この点に関しまして
は、靴の内側まで分解して理解していないとわかりづらいので、分解した中の材料や
作りの話しは、また、いつかしたいと思います。
できないかも、、。営妨害に、、、。少なくとも名前は出せないっす。
~したい。。。
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